デザイン教育

連休が明けました。
好天に恵まれた日は、それだけで気分がいいですね。
さて今日は、連休中にあるTV番組を見て感じたことを書きます。

「デザイン」を主題にした特色ある教育を行う大学として、
MIT(マサチューセッツ工科大学)のDラボと、山口大学
植物工場などを紹介する番組でした。

キーワードの「デザイン」ですが、芸術性のあるものを描く
といった一般日本人の概念ではなく、
“人の役に立つ、新しい価値を生み出すモノを創り出す”という意味

この「価値あるモノ創り」という意味合いでのデザインという
言葉がまず新鮮でした。またDラボで実際に学生たちが創り出した
モノのコンセプトはとてもユニーク

例えばコーンシェラーという、トウモロコシの実を芯から早く、
簡単に取る道具。

途上国で手作業で一粒ずつ取ると大変な手間と時間がかかって
いました。アルミ缶などから作るこの道具があれば、誰でも
圧倒的に短時間で、楽に身を取ることができます。

そうやって生まれた時間を使って女性たちが他の活動に
時間を使うえたり、子供たちが教育を受ける時間が
生まれたそうです。

秀逸なのは、お金をかけず、現地の方々が自分で容易に作る
ことができる器具であること。
他の器具や器械等の開発においても共通した方針です。

もちろんそのためには、学生たちが現地に長期間フィールドワークに
入り、現地の方々から話を聴き、現状を観察し、何度も試作品を
作っては試し…という工程が必要になります。

この過程で学生たちが獲得できるもの
洞察、思考、対話、挑戦、協働、忍耐、 …そして、満面の笑顔、喜び
時代を切り拓く人材に必要なものがすべて、詰まっていると感じました

山口大学の植物工場も、東北の震災で農地の放射能を危惧する中、
土を使わず、室内で植物を育てる方法を開発し、震災復興活動の
一貫というねらいもこめて展開。既に他の地域にも活用が広がっています

まさに、中高が今後、教育の柱の一つにしたいと取り組み始めた探求、
アクティブ・ラーニングのモデルと感じました。

これら先進大学の規模や活動量には及ばなくとも、中高段階で取り組む
ことの意義は大学よりはるかに大きいとも思います。

番組に登場したDラボの日本人卒業生は、MIT留学後にDラボを知り、
「自分がやりたいこと」そのものだったと話していました
こんな子供たちが、先生方の学校にも、きっと何人もいます

日本中の学校から、誰かの力になろうと課題に挑戦する、
志と“熱”をもった生命力の溢れる日本人が出てきてほしい
自分にできることは何だろう、改めて考え、行動します