特進から特伸へ

9月、新学期が始まりました。
ある駅を降りると、壁に学園祭の手作りの案内ポスターが数校分、
貼られていました。行事に燃える季節も到来ですね。

私は、学校である以上、知・徳・体を総合的に伸ばす教育が大事。
特に、公立にはない特色教育が可能な私学においては、
親が驚き、同時に惹きつけられる教育の多彩さが必須と考えています。

そこで、無人島でのキャンプ、遠泳、100キロ歩行などと聞くと、
ワクワクします。どうせ子供を預けるならと…

先日、ある高校の先生方と意見交換をしました。
あなたはどんな教育がいいと思うかと尋ねられ、私は
さっそく上記の私見をお話しました。

話題はその学校の特進コースへ。
難関国公立大学合格を目指す、1クラス30名の少数精鋭、
授業時間は公立を大きく上回る時間数で、朝夕の補講や休暇中の…
と、他校でもお馴染みのモーレツメニューです。
一方で、それ以外の教育プログラムの発信は見当たりません。

また、掲載されていた進学実績を拝見した限りでは、
いわゆる難関国公立大学への合格者もほとんど見当たりません。

率直に、「この特進コースは違和感があります。実際の状況は
どうなのですか?」と申し上げました。

しばらく意見交換を続けたうえで、やはり話は生徒たちの
意欲をどう引き出すか、に向かいました。
学びへの意欲や目的意識の乏しい受け身の生徒に、いかに学習量を
積み上げさせようとしても難しい。
生徒はうんざりし、先生方にも疲労感や徒労感が残り…

そもそも、「特進」をコース名とすること自体に違和感を感じます。
このコースが、どんな子供を育てようとしているか、が何も伝わりません。
難関大学に進学する子供」でしょうか。

伺っていると、先生方の本音も、今の教育の継続でいいとは
考えておられない。

それならば、コース名を変え、教育内容も抜本的に見直す。
4月最初から生徒たち(1年生)へのたっぷりの刺激、体験で目線を上げ、
志と学びの意欲を創るところから…と構想(妄想?)が膨らみました。

学校の価値はつまるところ、入学から卒業までの間に、どれだけ伸ばしたか。

同様の思いをお持ちの先生方、ぜひ「特伸」で他校を凌駕するコースを
お創りください。いつでも、精一杯お手伝いします。