“高め合う組織”を創る

コアネット嘉村です。
新しい年がスタートしました。今年最初の仕事となった、ある私学の「小中一貫シラバス作成のためのワークショップ」をご支援する中で感じたことをお伝えします。

幼稚園から大学までの一貫教育を実践する学園。以前は多くの生徒で溢れた中学・高校でしたが、いつしか園児・児童・生徒数が減少。回復が近年の最重要課題となっています。経営陣はじめ関係者の発想・工夫・努力が実を結び、幼稚園および、小学校については復調傾向が出てきました。目下の最大の課題が中学・高等学校の復調です。そのための重要施策として、小・中高の先生方全員の力を結集した小中一貫シラバス作成が行われました。

同じ学園内とはいえ、これまで交流が乏しかった小学校と中高。教科ごとのチームを結成して夏前から作成実務を進めてきましたが、その道のりは決して容易ではありません。リーダー、サブリーダーを務められた先生方のご苦労は大変なものだったと思います。

�仕上げに向けてピッチを上げ、�「教科最適視点」から「児童・生徒最適(全体最適)の視点」に進め、�複数教科での共同学習、複数学年(中2と小5)での共同プログラムなど、特徴ある効果的な学習内容へのバージョンアップを実現するために、私どもコアネットも参加して全教員を巻き込む協働ワークを企画・推進しました。

この活動の仕上げが今回のワークショップ。年末のリーダーズ・セッション(半日)に引き続き、年始の全専任教員参加の全体セッション(1日)で、第一案の仕上げに取り組みました。ワークショップでも教科リーダーの先生方には中核となって議論をリードしていただきました。教科を横断したワクワク感のあるカリキュラムに仕上がったと思います。

最後に、管理職の先生がリーダー、サブリーダーを労い、小中高一貫教育の具体的な1歩を踏み出すことができたと嬉しそうにお話されていたことが私自身も心に残りました。

終了後のアンケートでは、今後の実践、更なる向上努力が大事という、各先生からの目線の高いコメントとともに、対話によって一体感が醸成できた、相互理解が進んだというコメントも数多く聞かれました。

学校教育の根幹であるシラバスの改良・改善に終わりはないと思います。シラバスはあくまでも計画表であり、その実践こそが肝心。一人ひとりの先生方の不断の向上努力や切磋琢磨も不可欠です。このワークショップ自体は、その第一歩に過ぎないと思います。
それでも、このワークショップがもつ意味は決して小さくはありません。それを承知したうえで、力を合わせて実現していこうと考える教員組織への変化の芽が生まれたためです。

私はこういう組織を“高め合う組織”と呼び、このような組織を一つでも多くしていくことを目標にして、日々の仕事に臨んでいます。今年も1日1日を大切に、“高め合う組織”創りの支援を積み重ねていきたいと思います。